月別: 2019年9月

ヒッキーヒッキーシェイク

 音楽にまつわる情報を得ようとしてインターネット・ウェブをさまよってみて、目につくのは有名人に対する罵詈雑言ばかりだった。ここは学校の椅子の上とどう違うのだろう? 生徒たちのからかい合い、それらを取りまとめたような教師の世間に対する毒づき。それでいて誰も、自分の実力を堂々と披露したりはしない。本当に速く走れるなら、それを活かして獲物を摑まえて見せればいい。英語の構文に精通しているのなら、それを駆使した論文なり詩なりを書けばいい。芸能人を不細工だと思うなら、その隣に立って自慢の美貌を披露すればいい。こんな場所に僕はいたくないと、ディスプレイ上の世界に対してもまた感じた。
(p.142)

NO.36『純血種という病』

マイケル・ブランドー:著、夏目大:訳/白揚社

……私たちは長らく犬に助けられてきた。それなのに、はるか昔から姿かたちがさほど変化していない猫に対して、犬はどうだろう。犬の先祖がオオカミらしいと子どもでも知っているが、オオカミとはかけ離れた外見の犬種は非常に多い。すべて人間がブリーディングによってつくり出した犬たちなのだ。……
全文はこちら

NO.35『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』

三浦英之/小学館

……さらに国際問題となっているのが、日本のインターネット・オークションサイトである。日本のあるオークションサイトでは2014年からの3年間だけで、約1万6500件、総重量約12トンもの象牙が落札されている。これに加えて、同期間には約5万5000本もの象牙印章が落札されていた。ある意味、闇売買の温床となっているのだ。……
全文はこちら

NO.34『アフターデジタル』

藤井保文、尾原和啓/日経BP社

……しかし、アフターデジタルの世界では、顧客体験やカスタマー・ジャーニーといった概念が重要視される。そこでは、スニーカーという商品を売ることが単なるゴールではない。スニーカーは、たとえばユーザーが健康的な生活を送るためのひとつのパーツとみなされる。そのうえで、スマホのアプリで走行距離を管理したりマラソン・イベントの参加資格を付与したり、さらにオンライン上でスニーカーを自由にカスタマイズできるというように、継続的に価値を提供することで、ユーザーのさまざまな体験をサポートするような「寄り添い型」のビジネスへと移行する――本書はそのように予測している(しかもある程度のサービスはすでに実現している)。……
全文はこちら

NO.33『トロント最高の医師が教える 世界最新の太らないカラダ』

ジェイソン・ファン:著、多賀谷正子:訳/サンマーク出版

……もっとも有名なホルモンのひとつ、インスリンは、膵臓(すいぞう)から分泌され、血糖値を下げる働きをもつ。糖尿病が進行すると体外からインスリン注射をしなくてはならないこともある。いわば糖尿病の救世主的なイメージがあるそのインスリンが、肥満の原因のひとつであるとはどういうことだろう? ここでも著者はイメージや先入観にとらわれず、客観的データを提示することで、そこから導き出される推理を展開する。本書の大きな山場のひとつだ。……
全文はこちら

NO.32『ありがとうを言えなくて』

野村克也/講談社

……経歴詐称についても、「沙知代のあらゆる嘘が露見したとき、この女は、そんな嘘までついて私の気を引こうとしたのかと思った。はっきり書けば、私を利用して成りあがろうとしたのだ。浅はかと言えばそうだ。だが同時に、いじらしくも思えた」と、すべて許している。やはり、男女のこと、とくに夫婦のことは当人たち以外にはわからないものである。……
全文はこちら

NO.31『高齢ドライバー』

所正文、小長谷陽子、伊藤安海/文藝春秋

……本書には、地方で離れて暮らす認知症の両親に免許の返納をさせたという娘の実例が載っている。これを読むと、買い物は生協の宅配サービスを娘が東京からインターネットで注文できる態勢を作り、市が高齢者向けに配達する弁当を週3回手配、さらには介護タクシーの依頼にいたるまで、車がなくても暮らしていける環境を離れて暮らす娘がすべて整えた上で返納を実現させている。逆にいえば、ここまで周囲がおぜん立てをしなければ、現実問題として、地方で暮らす高齢者に免許を返納してもらうことは難しいだろう。……
(全文はこちら)

NO.30『ブラック職場があなたを殺す』

ジェフリー・フェファー:著、村井章子:訳/日本経済新聞出版社

……本書によれば、企業のブラック化はアメリカや日本だけの話ではなく、いまや全世界共通の傾向だという。原因は激しいグローバル競争と、それに対応するための極端な効率化だ。結果、働く人の心身の健康は蝕(むしば)まれ、アメリカではそれに対応するための医療費が年間2000億ドルも発生している。社員が心身を病んで仕事ができなくなることは、所属する企業にとってもコスト増につながる。アメリカの企業はそのために年間3000億ドルも支出しているという試算もある。それでも企業は、目先の利益を追い求めるために社員の酷使と使い捨てをやめられないのだ。……
(全文はこちら)